U-22反町監督は、きょう17日、クビをかける最終予選初戦となるベトナム戦(22日、東京・国立)のメンバーを発表する。16日、五輪スタッフ会議は5時間にも及んだ。反町監督は「最終予選はトーナメントと同じだ」と必勝を誓ったが、U-22を心配する声は日増しに高まるばかりだ。
懸念の矛先は監督。ある幹部は「結局、(日韓W杯16強の)トルシエ監督のように、五輪とA代表監督を兼任させるのが、いいかもしれない」とポスト反町にオシム監督を推した。
「奇跡が起きないと五輪出場は無理だろう」(協会幹部)とまで言われるのは理由がある。
前回のアテネ五輪などと大きく違うのは、大半の主力選手がチームでレギュラー。体力以上にメンタルケアが重要なのだ。
というのも、3カ月に及ぶ最終予選はリーグ戦終盤の時期が重なるため、選手は状況次第で降格争いと隣り合わせで北京切符を狙わなければならない。主力を抱える15位大分、14位千葉、13位広島、12位FC東京など、チーム状況が悪く、五輪の仲間が直後のリーグ戦で敵になる可能性も。様々なプレッシャーとも戦いながら、チームを結束させられるかが、指揮官の手腕でもあるわけだ。
ところが、最終予選前最後の試合となった4カ国対抗戦(中国)で「反町監督は選手と別宿舎だった」(関係者)という。共有する時間を少しでも増やすための代表合宿で、監督が選手と宿舎が別とは、異例も異例。このまま、反町監督で大丈夫なのか-。疑問視する声が消えない。
オシム監督はU-22を熟知。千葉監督を受諾したように、未完成な若い選手育成が天職ともいえる。実際、22日のホーム初戦で勝てなければ、北京五輪出場は非常に難しいといわざるえない。だが、日程的な問題としてチームを作り直す時間は限られる。監督経験のないコーチ陣や、部外者に託すのは危険な賭け。ポスト反町にオシム監督というのは意外なようだが、現実的な選択ともいえるだろう。
ベトナム戦がどうなるか。東京・本郷のJFAハウスは今、その話題で持ちきりだ。