【ワシントン和田浩明】イラク政府は17日、米国務省の関係者をイラクで護衛している米民間軍事会社「ブラックウォーターUSA」が、バグダッドで民間人8人が死亡し10人以上が負傷した事件に関与したとして、同社に業務停止と国外退去を命令した。国務省は事実関係を調査しているが、ライス米国務長官は同日、マリキ・イラク首相に電話をかけ、犠牲者が出たことに遺憾の意を表明、調査結果を共有すると伝えた。
米メディアによると事件は16日、バグダッド西部のイスラム教スンニ派住民が多いマンスール地区で発生。国務省関係者を乗せた車両の近くで手製爆弾が爆発し、ブラック社の警備担当者が反撃したという。
イラク政府が業務停止・国外退去命令の執行に踏み切れば、米政府関係者の現地での護衛に大きな影響が出ることも予想される。米国務省のマコーマック報道官は17日の定例会見で、事件は「調査中」と説明。犠牲者に弔意を示しつつ「イラクでは外交官の活動が極めて困難な場合があり、活動が可能な環境を実現する必要がある」と語った。
米国はイラクやアフガニスタンで米要人警備任務などを、ブラック社のような民間警備会社に外注するケースが多い。CNNによるとイラクだけで約2万5000人が勤務しているが、警備会社関係者が関与した銃撃事件も多発し、地元住民から批判が出ている。
MSN毎日インタラクティブより引用